白井市 印西市の家庭教師 事業を展開する峰企画のブログです。 今回取り上げるのは、「平方根と正負」です。
平方根の中に文字式が入ってきたときに、その扱いに苦労する生徒さんがいます。たとえば、
\sqrt {(a-1)^2}の根号を開けという問題があった時に、解き方は a-1 の正負で場合分けをして、
\begin{aligned}
\sqrt {(a-1)^2} = \left \{
\begin{aligned}
& a-1 (a \geqq 1)\\
& 1-a(a < 1)
\end{aligned}
\right . \\
\\
\cdots (1)
\end{aligned}などとしますが、この場合分けがどうもピンとこないようです。
その生徒さんも
\sqrt{(-3)^2} = 3は理解していて、ちゃんと答えを出せます。
数字の場合は
\sqrt{(-3)^2} = \sqrt{9}=\sqrt{3^2}=3と言うプロセスで答えを出しているので、その応用で
\sqrt{(a-1)^2} = \sqrt{a^2 -2a+1} とやって、立ち往生していました。
しかし、数式の変形で答えにたどり着こうとするのは、むしろ正しいアプローチです。式(1)は
- \sqrt{(a-1)^2} は (a-1)^2 の正の平方根である
- (a-1)^2 には a-1, -(a-1) の正負2つの平方根がある
- したがって、 \sqrt{(a-1)^2} は a-1, -(a-1) の正の方と等しい
- ゆえに、 a < 1 のときは \sqrt{(a-1)^2} = 1-a
といった、式の変形とはまた違った論理展開から導き出されます。
この手の推論はまだ目新しいので、戸惑いがあるのだと思いますが、これから各種の証明問題で多用していくことになりますので、是非マスターしてほしいと思います。
(余談)文字式の歴史

文字式の歴史についてググってみると、数字を文字で代替するというアイデア自体は、古代エジプトあたりからあったようです。しかしその使用法は、計算に当たって文字に具体的な値を代入するという、コンピュータプログラムの変数みたいな扱いでした。
今日的な意味での文字式が出来てくるのは、ルネサンス以降のヨーロッパです。古代ギリシアでも、中世に学問を引っ張ったアラビアでも、それはついに生み出されませんでした。
人類の歴史の相当な期間を費やして誕生した文字式。なかなか理解できないというのは、ある意味自然なことなのでしょう。
しかしここから数学は、急速な発展を遂げます。生徒の皆さんも是非、その流れに乗って志望校合格を果たしていただきたいと思います。
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