2008年東工大 数学 第3問 小問2の解法
左側の不等式の証明
\begin{aligned}
Q & = (p_1 +p_3 +p_5)(p_2+p_4+p_6) \\
& = (p_1 +p_3 +p_5) \{1 -(p_1+p_3+p_5) \}
\end{aligned}と、 Q が p_1 +p_3 + p_5 の2次式として表現できることに気がつくことがポイントです。これに気がつければ、あとは中学校でお馴染みの平方完成を適用して、
Q =- \left \{ (p_1+ p_3 + p_5) - \frac{1}2 \right \}^2 + \frac{1} 4 \leqq \frac{1} 4と、実にあっさり証明できます。
なお、等号が成り立つのは p_1 + p_3 + p_5 = \frac{1}2 すなわち、偶奇の確率が等しく \frac{1}2 のときです。
右側の不等式の証明
\begin{aligned}
& Q + \frac{3}2 P \\
= &\frac{2Q + 3P}2 \\
= & \frac{2(p_1+p_3 + p_5)(p_2+p_4+ p_6) + 3\sum\limits_{i=1}^6 p_i^2}2
\end{aligned}ですが、左側不等式の場合のように簡単には、行きそうにありません。
そこで、右辺を展開してみます。
\begin{aligned}
& \frac{2(p_1+p_3 + p_5)(p_2+p_4+ p_6) + 3\sum\limits_{i=1}^6 p_i^2}2 \\
= & \frac{1}2 ( 2p_1p_2+2p_1p_4 + 2p_1p_6 \\
& +2p_3p_2+2p_3p_4 + 2p_3p_6 \\
& + 2p_5p_2+2p_5p_4 + 2p_5p_6 \\
& + 3p_1^2 + 3p_2^2 +3p_3^2 +3p_4^2+3p_5^2+3p_6^2 ) \\
\end{aligned}です。これが (p_j +p_k)^2 の和とかにならないだろうか、という観点で睨んでいるうちに、前半の 2p_j p_k の項には各 p_i,i=1,2,\cdots ,6 が3回ずつ現れるのに対し、後半の p_i^2,i=1,2,\cdots ,6 も3個ずつ存在するところから、
\begin{aligned}
& Q+\frac{3}2P \\
= &\frac{1}2 \{ (p_1 +p_2)^2 + (p_1+ p_4)^2 + (p_1 +p_6)^2 \\
& + (p_3 +p_2)^2 + (p_3+ p_4)^2 + (p_3 +p_6)^2 \\
& + (p_5 +p_2)^2 + (p_5+ p_4)^2 + (p_5 +p_6)^2 \}\\
\end{aligned}であることに気がつければ、証明は終わったようなものです。
あとはこれに命題2を適用することによって、
\begin{aligned}
& Q+\frac{3}2P \\
\geqq &\frac{9}{2} \left [ \frac{1}{9} \{ (p_1 +p_2) + (p_1+ p_4) + (p_1 +p_6) \right .\\
& + (p_3 +p_2) + (p_3+ p_4) + (p_3 +p_6) \\
& \left. + (p_5 +p_2) + (p_5+ p_4) + (p_5 +p_6) \} \frac{}{} \right ] ^2 \\
= & \frac{9}{2} \left \{ \frac{3(p_1 +p_2 + p_3+ p_4 + p_5 +p_6) }{9} \right \} ^2\\
= & \frac{9}{2} \cdot \left (\frac{1}3 \right)^2 = \frac{1}{2}
\end{aligned}を得ます。すなわち、右側の不等式が証明できました。
なお、等号が成立するのは、 p_1 = p_2 = \cdots = p_6 のときです。
解法のポイント

本問は凸関数の性質を利用しようと思いつけば、非常にあっさり解くことが出来ます。 n 個の変数 x_1,x_2, \cdots, x_n があって、その合計が一定の時の関数和 \sum\limits_{i=1}^n f(x_i) を求めよ、的な問題の場合は、本問の命題2が適用できないか、検討するようにしてみてください。
命題2は非常に強力ですが、なぜか学校で教えてくれないので、利用する際は証明を付けるようにしましょう。簡単なので証明の仕方を覚えておくようにしてください。