2025年 共通テスト 情報1 雑感

科目名がなんか凄そうだが実際はどうでしょうか(ElchinatorによるPixabayからの画像)

2025年2月24日

 今年度から新たに追加された科目「情報1」。昔IT企業に勤めていたこともあって、どんな問題なのか覗いてみることにしました。

問題構成

 4つの大問から構成されています。大問1および大問2はソフトウエアやシステムのアーキテクチャに関する問題、大問3はプログラミング、大問4はデータ分析の基礎、といった感じです。

難易度

 かなり易しいです。特別な準備をしていなくても高得点が狙えそうです。

 昔、筆者が「共通一次試験」の2年めを受験したときのことですが、社会科の「政経」がかなり易しくて、受験生の中にはもともとは倫社+世界史で受験しようと考えていたのが、会場で配られた問題を見て即興で世界史から政経に受験科目を切り替えて、しかも満点をとったなどという奴が現れたりしました。

 そのようなこともあってか、翌年度からこの2科目をセットで受験することが禁止になりましたが、今年の情報1はそれに匹敵するくらいの易しさです。

情報処理技術者試験との比較

 オフィシャルな情報関係の試験としては、経産省の「情報処理技術者試験」というものがあります。分野や難易度に応じて複数のコースがありますが、その中でも一番かんたんな「基本情報処理」との比較でいうと、情報1の特徴は

  • ハードウェアに関する問題がまったくない
  • FIFOなどのIT固有の概念を問う問題もない
  • 散布図や度数分布グラフなどを用いたデータ分析っぽい問題がある

といったところです。情報1の難易度は基本情報処理に比べても、ぐっと易しいものになっています。

 入試問題なのでより理論に近い、ブール代数的なものがもっと前面に押し出されているのかと思っていましたが、そういうこともありませんでした(むしろ情報処理技術者試験のほうがそういう問題が出る)。やはり、必要となる前提知識が少ない印象です。

プログラミングはリストを多用

 大問3のプログラミングは命令文が日本語になっていて違和感マシマシです。

 プログラムの難易度や規模の割にはリストが3つも使われていて、慣れない人はちょっと苦戦したかもしれません。昨今流行りのAIやディープラーニングを睨んだ設問だった可能性もあります。

 どうせならリストの添字を1始まりではなく、Pythonぽく0始まりにしてくれればより臨場感が増したのに、と思ったものですw。

数1Aとの比較

 大問4は散布図を使ってデータの傾向分析を行う問題です。散布図は数1Aの大問2も出てくるのですが、数1Aのほうはあまり大したことをしていません。数学的にもそれほど意味があるとは思えない設問でした(簡単だったからまあいいか)。

 これに比べると情報1のほうは一歩踏み込んだ分析になっており、科目の存在意義をはっきりさせる点では良い問題だったと思います。

まとめ

 今年度は問題が簡単だったので受験した人はラッキーだったと思いますが、来年度は揺り返しがあると思います。受験する人はしっかり準備しましょう。

今年はラッキー!

家庭教師2025年

Posted by mine_kikaku