有効数字の考え方

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2023年3月2日

白井市 印西市の家庭教師 事業を展開する峰企画のブログです。 今回取り上げるのは、有効数字です。

 平方根の単元で、近似値を使って有効数字を求めるといった問題が出てきます。まあ、計算自体は、小学校の時に円周率=3.14として円の面積とかを求めていたのと同じですが、小学校とは違うのは、有効数字の概念が現れたことです。

 昔は有効数字は理科の範囲でしたが、今は数学でもやることになっていて、有効数字が苦手だった筆者は、「そんなの理科でやれよ」と思ったものです。

 有効数字の何が面倒くさいかと言うと、文字通り「どこまでが有効なのか」を、常に考えなければならないことです。

 例えば、 \sqrt2 = 1.414 (すなわち有効数字4桁)という近似が与えられて、これを使って

\frac{3536\sqrt2  }{25} 

を計算するとします。

 小学校なら、 3536 \times 1.414 \div 25 = 199.99616 と計算するだけですが、ここに有効数字の概念が入ってくると、今回の場合有効数字の桁数は4桁なので、計算結果の左から5桁目すなわち小数点以下第2位を四捨五入して

200.0 = 2.000 \times10^2

となります。

 実際の試験等ではこんな面倒くさい計算は(たぶん)出てこないでしょうし、普通は問題に有効数字の桁数が指定されているので、それに従って計算すればよいのですが、ここでポイントは、2.000という表記方法です。

 小学校で少数が出てきたとき、1.50みたいな表記はしないと習ったはずで、2.000とか思いっきり矛盾してるじゃん、と思うのが自然です。実際、生徒さんに聞いてみても、釈然としていませんでした。

 ここが有効数字の本質にかかわる重要な点です。算数や数学で2といったら、あくまでも自然数や整数の2、正真正銘の2であって、小数点以下、どこまで行っても変な端数とか現れません。したがって、2.000とか0を書き連ねるのは無駄無駄無駄無駄無駄というわけです。

 ところが、有効数字4桁の時の2.000は、上記の例で示した通り、4桁目すなわち小数点以下第3位で四捨五入した結果が0と言う意味であり、この0は誤差を含んでいるので、なくしてしまうわけにはいきません。このような理由で、2.000といった表記になっています。

 このように有効数字は奥が深く、軽々に扱うとあとで(物理や化学で)えらい目に遭います。 生徒さん達には上記のような説明をしましたが、今後のためにも原理をしっかり理解していってほしいと考えています。

2.000とか釈然としません(PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像)

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Posted by mine_kikaku