科目間連携

julianucによるPixabayからの画像

2023年3月2日

白井市 印西市の家庭教師 事業を展開する峰企画のブログです。 今回取り上げるのは、「科目間連携」。理科と数学におけるカリキュラム連携の考察です。

 先日、ある生徒さん(中学生)向けに、理科の授業をテンポラリに行う機会がありました。

 対象は運動とエネルギー。高いところから物を落とすと、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される、といった内容です。

 筆者が中学生のころと違って、力の単位が「ニュートン」になっていたり(昔は「kg重」でした。「重」ってうな重みたいです)、仕事率の単位が「ワット」(電気のワットと同じです)であることが説明されていたりと、アドバンストな内容になっていたのが新鮮な驚きです。

 そんな中、ボールが斜面を転がる運動の説明が、2次関数を知らないことが前提になっているため、奥歯にものが挟まったような言い回しになっていたことが印象的です。2次関数の履修は2学期で、理科の運動の単元履修のほうが早くやってきます。

 そもそも、この手の運動を記述するための道具が2次関数なのに、わざわざ変な縛りを入れているのは、なんか抜けている印象を持ちます。

 等加速度運動の移動距離が時間の2次関数であることの説明がないため、移動距離を求めることはできませんし、速度も「ある区間の平均速度」しか算出できません。

 この「平均速度」が何なのかを説明せよ、といった問題があって、生徒さんは立ち往生していましたが、連続関数値の平均を求めるには厳密には積分の概念が必要なのに、随分と酷な設問だと思ったものです。

 そういえばこの手のギャップは高校の物理と数学にもあって、物理における落体の運動の履修が数学の微積分の前にあるため、移動距離と速度と加速度が微積分で密接に結びついていることが、在学中には最後まで説明されませんでした。

 もしかしたら学習指導要領は科目ごとに制定されるものであって、科目間の連携は考慮されていないのかもしれません。それでも困らないようになっているのでしょう。

 筆者はかつて、ニュートンの重力に関する「距離の2乗に反比例」の法則だけから、惑星の運動に関するケプラーの第1法則(軌道が楕円)が導けることを知って、非常に感動しました。使う数学はぎりぎり数Ⅲの範囲なので、物理と数学のコラボによって、多くの高校生の皆さんに同じ感動を味わってもらうことが出来たなら、大変うれしいことです。

物理と数学の連携は大切です(画像はニュートンハウス。julianucによるPixabayからの画像)

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Posted by mine_kikaku