大きく変わった出題傾向 – 2022年千葉県公立高校入試

えっ?!(Jere CangによるPixabayからの画像)

2023年3月16日

 2022年の千葉県公立高校入試の数学は、前年度から大きく傾向が変わりました。問題文と回答は、以下のリンク先をご覧ください。

産経ニュース 千葉県公立高校入試 問題と解答

 ぱっと見の大きな変化は、大問の数が5から4に減っていることです。これまで2つの大問を占めていた前座の計算問題系が、1つに統合されました。

 以下、変更ポイントを記していきます。

変更ポイント1:数の規則性問題が無くなった

 これまで定番であった数の規則性の問題が無くなっているのが、一番大きなポイントです。

 このジャンルは苦手にしている生徒さんが多いうえに、学校では体系的に教えてくれないので、こいつの攻略がこれまでは重要なテーマでした。

 これが無くなると受験の負担が減るので、短期的には喜ばしいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、数の規則性問題は高校では、数列及び数学的帰納法と言う非常に重要な分野として登場し、当然大学入試では逃れることが出来ないので、筆者は早いうちから慣れ親しんでほしいと思っていました。

 その意味では、自分が当事者でないのでアレですが、いささか残念な気分でもあります。

変更ポイント2:ポイズンピル問題のジャンルと位置が変わった

 千葉県の公立高入試には例年、他の問題とは難易度が隔絶した「食べたら死ぬで」的難問が必ず出題されていて、筆者はこれをポイズンピルと呼んでいました。

 ポイズンピル問題はいつも、図形の問題である第4問に含まれていました。近年では2019年の問題が超絶難しかったので、記事にしてあります。是非ご覧ください。

 今年の図形の問題は1問繰り上がって、第3問です。内容は教科書レベルのどうということのないものです。ポイズンピルは無くなったのかと思ったら、それは実は、第2問に潜んでいました。内容についてはこちらの投稿をご覧ください。

 第2問は2次関数の問題です。これまでとは位置とジャンルが変わっていますので、ポイズンピルに対する戦略と対策を練り直す必要があります。

変更ポイント3:最終問の立ち位置の微妙さ

 昨年までトリを務めた数の規則性問題に代わって、今年の最終問は1次関数の応用問題、すなわち長方形の縁を点Pが等速で移動するとき云々的な問題のバリエーションです。

 本問の特徴は、ベースとなる図形が同心半円であることです。2点がそれぞれ別の円周上を移動するので、角速度の概念が必要になってきます(図1)。

図1

 高校で習う弧度法の先取りか!?、とも思いましたが、出題者もさすがにそれは難しすぎると考えたのか、わざわざ同一円周上で考えるよう、強力なヒントを問題文上で提示しています。

 はっきり言って、ここまで種明かしされてしまうと、同心円である意味が無くなります。もっと言うと、円である必然性も薄れてきます。

 また、第2問で1次関数を取り上げているのに、本問が再び1次関数の問題であることも、全体的なバランスを考えるとどうなんだろうか、と感じます。本問に関しては、なんか出題者のスタンスが定まっていない印象を受けます。

 試験全体の構成が、来年度も変わる可能性を感じます。ここは予断を持たず、しっかりと準備を進めたいところです。

 

備えよ常に(ボーイスカウトのモットー:lefeiljoによるPixabayからの画像)

家庭教師2022年

Posted by mine_kikaku