バランスの良い出題分野と無理のない難易度 – 2023年千葉県公立高校入試

フォースに均衡をもたらす・・か?(李磊瑜伽によるPixabayからの画像)

 2023年の千葉県公立高校入試の数学は、前年度と比べると出題分野のバランスが良くなりました。また、一部を除いてトリッキーな問題もなく、基本を押さえていれば無理なく解ける、落ち着いた印象の試験になっています。

 問題文と回答は、以下のリンク先をご覧ください。

東京新聞 2023年首都圏公立高校入試 千葉の問題と正答

 以下、試験内容の傾向と概要を記していきます。

全体構成

 昨年同様、大問が4つ有ります。以下のとおりです。

  1. 計算問題系
  2. 一次関数
  3. 図形
  4. 不定方程式の整数解問題

 昨年に引き続き、数の規則性問題はありません。毎度おなじみポイズンピル問題(他の問題とは難易度が隔絶した、「食べたら死ぬで」的難問)は、1昨年以前のパターンに戻って図形問題に仕込まれています。

 最終問は昨年と傾向が変わり、不定方程式の整数解問題(多変数の一次方程式を、解が整数という条件で解く)になっています。

一次関数に図形を絡めた大問2

 第2問は一次関数に正方形を絡めた問題です。正方形の性質を座標系の表現にうまく落とし込めれば、解けます。難易度は高くありませんが、テンプレに当てはめれば解けるというわけでもなく、考えさせる要素があるのは良い問題だと思います。

大問3はポイズンピルに注意

 第3問は図形問題です。3つの小問が有りますが、最初の2つは超基本問題です。小問3がポイズンピル問題で、そんなに簡単には解けないので、スルーするか、取り組むとしても後回しにしましょう。

 したがって受験対策上は、こいつがポイズンピルかどうかの見極めが、極めて重要になります。図形問題の最後の小問はポイズンピルの定位置なので、まずは疑ってかかりましょう。

最終問は不定方程式の整数解問題

 最終問は、不定方程式の整数解問題です。昨年は一次関数の、「長方形の周りを点Pが等速で移動しながら」的な問題だったので、傾向は大きく変わりました。

 問題の形式は大学入試の共通テストで流行りの、無駄に長い会話文を穴埋めしていくタイプです。はっきり言って辟易しますが、本問に関して言えば、問題文の推論の流れは、不定方程式問題を解くにあたって大変役に立ちます。中程に出てくる、パターンを表にまとめて傾向をつかむ、と言った発想は、特に重要です。問題文をよく読み込み、本問の論理展開を自在に使いこなせるようにしましょう。

まとめ

 本年度の問題は出題範囲に偏りがなく、(ポイズンピル問題を除いて)変にトリッキーな問題もなかった一方で、適度に数学的思考力を見る設問になっており、総じてバランス感覚に優れていたと言えるでしょう。

 来年度以降もこの傾向が続いて欲しいところですが、対策としては中堅レベルの難易度の問題集をたくさんやり込み、回答の速さと正隠さを身につけるようにしましょう。

日頃の鍛錬が大切(David MarkによるPixabayからの画像)

家庭教師2023年

Posted by mine_kikaku