中学入試を考える
難しさの源泉は知識の制約から
本問を解くにあたって、例えば三平方の定理と方程式を解禁したらどうなるでしょうか。中学レベルの知識を前提としたときには、教科書レベルよりちょっと難しいくらいの陳腐な問題に、たちどころに成り下がってしまいます。
小問2で三角形の高さを h と置くと、
h + \sqrt{3} h = 7
なので、
h = \frac{7}{1 + \sqrt{3}}
です(図5)。
よって求める面積は
\begin{aligned} & \frac{49 \sqrt{3}}{4} -\frac{49}{2(1+\sqrt{3})} \\ = &\frac{49 \sqrt{3}}{4} - -\frac{49(\sqrt{3} - 1)}{4} \\ =& \frac{49}{4} \end{aligned}
です。
小問3の方は、内側の正方形/正三角形の一辺の長さを a と置くと、
2 \cdot \frac{ \sqrt{3}}{2} a +a = 9 \sqrt {2}
なので
a = \frac{9 \sqrt {2} }{1 + \sqrt{3}} = \frac{9 \sqrt 2 (\sqrt 3 - 1)}{2}
です(図6)。
よって求める面積は
\begin{aligned} & 2 \cdot \frac{\sqrt 3 a^2}{4} + a^2 \\ = & \frac{2 + \sqrt 3} 2 a^2 \\ = &\frac{2 + \sqrt 3} 2 \cdot \frac{162( \sqrt 3 - 1)^2}{4} \\ = & \frac{2 + \sqrt 3} 2 \cdot \frac{81 (4 - 2\sqrt 3)} 2 \\ = & \frac{2 + \sqrt 3} 2 \cdot 81 (2 - \sqrt 3) \\ = & \frac{81}2 \end{aligned}
です。
つまり難しさの源泉は、小学校レベルの知識で中学3年の問題を解かせようとするところにあります。学校側から見れば、なるべく多くの優秀な生徒を集めたいのですから、入試問題の難易度がエスカレートしていくのはやむを得ないことかも知れませんが、筆者などは、どうせ先に行けばわかるようになるのだから、受験生の立場ではそんなに慌てなくても良いのではないか、と思ってしまいます。
中学入学時点で難問が解けなくても全然オッケー
本問が解けるほどの学力の人にとっては、中学受験の意味はもちろんあって、体系数学などの独自のカリキュラムは魅力的です。
しかし、中学受験し、それに合格することが難関大学受験のための必要条件かと言うと、この難易度を見るにつけ、必ずしもそうではないのではないか、と考えます。
先にも書いたように、入試問題がどう見ても必要以上に難しい上に、わずか数年で陳腐化してしまうからですが、そもそも、難関中学に入ったから難関大学に入学できるようになるのか、それとももともと優秀な生徒を集めているから、合格率が高くなっているのでしょうか。筆者は案外、後者のファクターが大きいのではないかと考えています。
そんなわけで、中高一貫校に入学しなくても、東大、京大等の難関大入試は全然大丈夫です。中学、高校の6年間でキャッチアップは十分可能であって、成績向上のポイントは
- 分からない単元、問題をわからないままにしない
- 得意科目、得意分野を最低1つは作る
です。
わからないものをそのままにしておくことは、特に数学では後に習う項目がすべてわからなくなってしまうため、必ず避けるべきです。必要に応じて塾や家庭教師を活用しましょう。
好きこそものの上手なれ
また、得意科目があると、勉強に対するやる気が出てくるので、勉強の効率が上がって成績も上がり、それが更なるやる気につながるという、好循環が生まれます。
これが、勉強が楽しいと思えるレベルに到達すると、成績が一気に上がり、難関大学突破が射程に入ってきます。まさに「好きこそものの上手なれ」です。
中学に入学して算数が数学に変わると、抽象度が高まる一方で、単なる計算問題からパズル要素が強い単元に徐々に移行していきます。面白いと思えるようになるチャンスなので、是非波に乗ってください。ポイントは、簡単な問題でよいので自分でどんどん解いて、自信をつけることです。
白井市 印西市の 家庭教師 は是非(有)峰企画へ
当社ではお子様のつまづきポイントを根本原因にさかのぼって解消し、難易度を調整しながら類似問題を反復履修していただきます。「出来ない」が「出来る」に変わることで達成感と自信が生まれ、それが成績向上の自律的好循環につながります。公立中学から難関校を目指すなら、当社を是非ご用命ください。