イカサマサイコロのゾロ目確率 – 2008年東工大 数学 第3問

命題1および命題2の証明
各命題の証明は以下のとおりです。
命題1の証明
a= b のときに等号が成り立つのは明らかなので、 a \ne b のときに
tf(a) + (1-t)f(b) > f(ta+(1-t)b)
が成り立つことを証明します。これが証明できれば、等号が a= b の時にしか成り立たないことも自動的に証明できたことになります。
平均値の定理を利用します。
a < b であるとします。また、 t の関数 g(t) を、
g(t) = tf(a) + (1-t)f(b) - f(ta+(1-t)b)
と定義します。このとき、
g'(t) = f(a) -f(b) - (a-b) f'(ta+(1-t)b)
ですが、平均値の定理により、ある実数 a < c < b が存在して、
f(b) -f(a) = (b-a) f'(c)
が成り立ちます。よって、
\begin{aligned} g'(t) & = (a-b)f'(c) - (a-b) f'(ta+(1-t)b) \\ & = (a-b) \{f'(c) - f'(ta+(1-t)b) \} \end{aligned}
が成り立ちます。
ここで t_0 を
ta + (1-t) b =c
の解とします。すると明らかに、
0 < t_0 < 1
です。
f(x) は下に凸なので、その導関数は単調増加です。したがって、 0 \leqq t \leqq 1 の範囲における g(t) の増減表は以下のようになります。
t | 0 | 0 < t< t_0 | t_0 | t_0 < t < 1 | 1 |
g'(t) | + | + | 0 | – | – |
g(t) | 0 | \nearrow | g(t_0) | \searrow | 0 |
よって、 0 < t < 1 の範囲で g(t) > 0 なので、
tf(a) + (1-t)f(b) > f(ta+(1-t)b)
であることが証明できました。
命題2の証明
以下のとおりです。
\begin{aligned} & f \left ( \frac{\sum\limits_{i=1}^n x_i}{n} \right) \\ = & f \left ( \frac{x_1}{n} + \frac{n-1}{n} \cdot \frac{\sum\limits_{i=2}^n x_i}{n-1} \right) \\ \leqq & \frac{f(x_1)}n + \frac{n-1}{n} f \left ( \frac{\sum\limits_{i=2}^n x_i}{n-1} \right) \\ \leqq & \frac{f(x_1)}n + \frac{n-1}{n} \left \{ \frac{f(x_2)}{n-1} + \frac{n-2}{n-1} f \left ( \frac{\sum\limits_{i=3}^n x_i}{n-2} \right) \right \} \\ = & \frac{f(x_1)}n +\frac{f(x_2)}n + \frac{n-2}{n} \left \{ f \left ( \frac{\sum\limits_{i=3}^n x_i}{n-2} \right) \right \} \\ & \text{ } \vdots \\ \leqq & \frac{f(x_1)}n +\frac{f(x_2)}n + \cdots + \frac{f(x_n)}n \end{aligned}
等号は x_i,i = 1,2,\cdots ,n が連立方程式
\left \{ \begin{aligned} x_1 &= \frac{\sum\limits_{i=2}^n x_i}{n-1} \\ x_2 &= \frac{\sum\limits_{i=3}^n x_i}{n-2} \\ & \text{ } \vdots \\ x_{n-2} &= \frac{x_{n-1} + x_n}{2} \\ x_{n-1} &= x_n \end{aligned} \right .
を満たすときにのみ成り立ちますが、これの解が x_1 = x_2 = \cdots = x_n なので、等号は x_1 = x_2 = \cdots = x_n のときにのみ、成り立ちます。