2025年 共通テスト 数1A 雑感

2025年 共通テスト 数1A は全般に昨年より更に易しくなっており、難関大志望者にとっては誰もがそこそこの点をとるので、ちょっとしたミスが命取りになり、注意が必要です。
また、選択問題がなくなって全問必答になっています。選択問題チョイスの当たりはずれがないということは、公平さの観点から良いことだと思います。
問題文は以下のリンク先をご参照ください。
因数分解と三角関数の大問1
大問1は2つの小問に分かれていて、それぞれ因数分解と三角関数の問題になっています。誘導に従って解いていけばどうということはありません。
大問2は「噴水」と「統計」
大問2も別の題材を扱う2つの小問に分かれています。小問1は恒例の「実生活に数学を応用してみた」シリーズです。今年は噴水の水の軌道を二次関数を使って考えてみよう、というものですが、いきなり座標系が導入されるので、以降噴水のことは忘れてしまってOKですw。物理と違って初速や投射角を考えなくて良いところが、受験生に優しいgoodな設問です(でもそれって、実生活で意味があるのか?)。2023年のバスケの問題と比べると、はるかにとっつきやすくなっています。
小問2は統計関連の問題で、前半が散布図の問題、後半が仮説検証の問題です。前半と後半が全く関係ないのは頭の切り替えに時間がかかるので、やめてもらいたいものです。
問題自体は誘導に従って淡々と答えていけば、サクッと解き終わります。標準偏差を計算させられた昨年と違って、計算量も少なくなっています。しっかり押さえるようにしましょう。
高校入試のような大問3
大問3は空間図形の問題ですが、使う道具が三平方の定理と相似しかないので、中学生でも解けそうです。しかも誘導が懇切丁寧なので、公立高の入試よりは難しそうですが、中堅以上の私立高に比べるとぐっと易しくなっています。
特に最後の方の直交条件の真偽判定のところが、高校入試だとそういう判定をしなければならない、あるいはそもそも判定が可能であることを何もないところから自力で思いつかなければならないので、その有り難さに涙が出る思いになりました。
本問は全問正解をめざしたいところです。
条件付き確率と期待値の大問4
大問4は期待値を計算する問題です。算出するに当たり、「1回めがNGで2回めがOKの確率」みたいな「条件付き確率」を求める必要があるのですが、これが何と問題文にはじめから用意されています。
これのおかげで計算がめっぽう楽になるように見えます。筆者は「これは罠に違いない」と、条件付き確率から逆に単独の確率を算出するなどして矛盾を探しましたが、なんの問題もないことが明らかになりました。
問題文の流れに身を任せて淡々と答えていけば、無理なく完答できるようになっています。何という親切設計!
まとめ

全般に問題文の流れに沿って解いていけば、深く考えなくても答えきれるようになっています。以前のような「最後の最後にバーンとはしごを外す」的な飛躍もありません。
その分、タイムアタック的な性格が強くなっています。緑チャートクラスの問題を大量に解いて、それこそ「息をするように」答えが出せるようにしておきましょう。