死角なき難問 – 1996年東大 数学 第3問
l\geqq2r の場合
次に l \geqq 2r のときにどんな図形になっているか、図を書いて確認します(図2)。
頂点 \mathrm{A_1, A_3, A_5, A_7} を通る平面を H とするとき、図全体を \mathrm{A_2A_6} 方向から H に射影して考察を進めます。
\mathrm{ A_1,A_3,A_5, A_7 } から見える領域を図示したのが以下の図3です。真横から見る形になるので、領域は半月状に描かれます。白く抜けたひし形の部分が、4点からの死角になっているエリアです。
\mathrm{A_2', A_6'} はそれぞれ、 \mathrm{A_2,A_6} の H への射影です。
一方、 \mathrm{A_2, A_6} から見える領域を図示したのが図4です。
\mathrm{A_2} および \mathrm{A_6} から見える領域は円形なので、その射影は楕円になります。
この図形が図3の白く抜けたひし形を覆いつくせば、死角が無くなります。図4にそのエリアをだいだい色で示してありますが、ぱっと見、余裕をもってカバーしているように見えます。これが l \geqq 2r のとき常に成り立ってるかどうか、検証します。
球面の赤道方向と極方向に分けて、考察します。