整式が素数になる条件 – 2024年東大 数学 第6問

分解してみよう(tongariroによるPixabayからの画像)

2025年3月11日

2024年東大 数学 第6問 小問2の解法

証明方針

 小問1により、n の個数が3個の場合はあり得ることがわかったので、整数 a,b をどのように選んでも g(n) が素数になる n は4個以上存在しないことが証明できれば十分です。

  e(x) = x^2+ax +b と置きます。すると、 g(n) = ne(n) が素数になる必要十分条件は小問1の場合と同様、 以下の4条件のいずれか(複数可)が成り立つことです。

項番 n e(n)
条件11素数
条件2-1-素数
条件3素数1
条件4-素数-1

 これらの条件をどのように組み合わせても n の個数が4個以上にならないことを証明できれば良いので、 n の個数が4個以上であるための必要条件をこれら4条件の組み合わせで表現し、それが成り立たないことを証明することにします。

 まず、各条件が単独で成り立つときの n の個数を明らかにしておきます。

 大前提として、 「 n ≠ ±1 かつ n ≠ ±素数 ならば g(n) は素数でない」ことを押さえておきましょう。これは g(n) が素数になるための必要十分条件が上記の4条件であることから明らかです。

 条件1しか成り立たないとき、 g(1) は素数になりますが条件2,3,4が成り立たないので g(-1) も gp) (p は任意の素数)も素数になりません。さらにn ≠ ±1 かつ n ≠ ±素数 ならば g(n) は素数でないので、 g(n) が素数になる nn = 1 の1個です。

 同様に条件2しか成り立たないとき、g(n) が素数になる nn = -1 の1個です。

 条件3しか成り立たないとき、二次方程式 e(x) = 1 の解がたかだか2個であることから、そのうち素数である物の数もたかだか2個です。それ以外の素数 p に対し e(p) ≠ 1 なので g(p) = pe(p) は素数ではありません。また、条件4が成り立たないのですべての 素数 p に対し g(-p) = –pe(-p) は素数ではありません。条件1と条件2も成り立たないので g(±1) は素数ではありません。さらにn ≠ ±1 かつ n ≠ ±素数 ならば g(n) は素数でないので、 g(n) が素数になる n の個数は高々2個です(1個の場合もあり得る)。

 同様に条件4しか成り立たないとき、 g(n) が素数になる n の個数は高々2個です(1個の場合もあり得る)。

 これらの条件の組み合わせの中から n の個数が4個以上になるものを探せばよいのですが、それは以下の3つに集約されます。このいずれかが成り立つことが、 n の個数が4個以上であるための必要条件です。

条件詳細
条件A条件1 & 条件2 & 条件3
条件B条件1 & 条件2 & 条件4
条件C条件3 & 条件4

 これ以外の条件は下表のように、上記条件に包含される(=上記3条件のいずれかの十分条件なので、それらが成り立たなければ成り立たない)か、 n の個数が3個以下になるかのいずれかなので、考慮する必要はありません。

条件1条件2条件3条件4判定
条件A、条件B、条件Cのすべてに包含
条件A
条件B
条件Cに包含
条件Cに包含
条件C
n の個数が2個
n の個数が3個以下
n の個数が3個以下
n の個数が3個以下
n の個数が3個以下
n の個数が1個
n の個数が1個
n の個数が2個以下
n の個数が2個以下

 以上のように、 n の個数が4個以上であるための必要条件は条件Aまたは条件Bまたは条件Cが成り立つことです。その対偶をとることにより、条件A、条件B、条件Cのすべてが成り立たないなら、n の個数はが4個以上にならないことがわかります。

 以下、条件A、条件B、条件Cのすべてが成り立たないことを証明していきます。

東大2024年

Posted by mine_kikaku