伝説のプール問題 – 2007年東工大 数学 第1類AO型 第2問

プールサイドから一番遠いのはどこか(Christian HänselによるPixabayからの画像)

2024年9月20日

 2007年東工大 数学 第1類AO型 第2問 は同学AO入試問題の中でも有名な、いわゆる「プール問題」です。プールサイドにいる監視員がプール内の任意の点に最短時間で到達しようとするとき、最大でどれくらい時間がかかるかを求めます。問題文は以下のとおりです。

一辺の長さが 10mの正方形のプールの一つの角に監視員を置く。この監視員は水中は秒速 1mでプールの縁上は秒速 2mで移動するとする。この監視員がこのプールのどこへでも到達しうるには,最短で何秒必要か計算せよ。ただし,物事を単純化するため,(ⅰ)監視員は点,プールの縁は線と考え,(ⅱ)プールの縁上でも水中でもどの方向に曲ることも自由自在で,それぞれでの秒速は一定だとする。

 ひっかけようとしているのか、言い回しがわかりにくいですが、「プールのどこへでも到達しうるには,最短で何秒必要か」ということは、「プール内の任意の地点に最短時間で向かうとき、一番時間がかかる地点に行くにはどれくらいかかるか」ということです。

 プール内の移動のほうが時間がかかるので、プールサイドの移動距離をなるべく長くしたほうが良さそうですが、その最適値は微分で求められそうです。また、プールが正方形なのと、監視員の初期配置がその頂点の1つなので、平面座標を導入して監視員の初期配置を原点にすれば、計算も楽そうです。

 方針が定まったので、早速取り掛かりましょう。なお、本稿の内容は東工大が公表したものではありません。

定式化

 問題分の内容を、平面座標系を使って定式化します。プールを O(0,0) ,A(10,0) , B(10,10), C(0,10) の4点で構成される正方形で表現します。監視員は最初、原点 O にいるものとします(図1)。

図1

 プール内の目標地点を P(a,b) (0 ≦ a,b ≦ 10) とします。明らかに P への最短時間と、直線 AB を挟んで対称の位置にある P'(b,a) への最短時間は等しいので、プールの「下半分」である ba の範囲で考えても一般性を失いません(図2)。

図2

東工大2007年

Posted by mine_kikaku